COLUMN

社長 鶴田浩のCOLUMN

2020.12.8

東別院のまちなみ【社長 鶴田浩ブログ】

 

昨年の秋に「スターバックス東別院店」ができて、早1年が過ぎました。オープンすると聞いた時には、東別院エリアにも人が集うようになったのだと、感慨を覚えたものです。

 

リアルスタイル本店が東別院にオープンしたのは2002年。当時は地下鉄の乗降客も少なく、おばあちゃんたちがお寺の参拝に行くだけの町だったように思います。

大須と金山の間で、ただ通過するだけなので、本店の店舗となった歴史ある建物の存在も知られていませんでした。そんな人通りのない町にお店を出してもうまくいかないだろうと、反対もされました。

 

(スターバックス東別院店と名古屋テレビ本社ビル)

 

けれど僕はたまたまこの建物を知っていて、お店を開くならここでやりたいと思っていました。

 

当時は室外機が建物の正面に置かれていたりして、廃墟も同然。でもこの古い洋館をきれいにしてかつての姿を取り戻せば、それが味わい深さとなってリアルスタイルの世界観にもつながるはず。その思惑通り、オープンしたとたんに脚光を浴びました。

建物自体が持っている独特な雰囲気に現代のエッセンスが取り入れられた名古屋初のライフスタイルショップは、おかげさまで様々な媒体に取り上げられ、多くのお客様が来てくれるようになりました。

 

それから間もなくして、観光バスから続々と人が降りてきてお店に入ってきました。

聞けば大学教授や建築家のご一行。名古屋市景観賞にノミネートされたから審査に来たとのことでした。そうしたアワードのほとんどが自薦である中、お客様からの他薦であったことが本当に嬉しかったですね。前年に受賞した妹島和世さん設計のオペークに続いて、2002年にはリアルスタイルが受賞することとなりました。そして受賞時の新聞記事をたまたま目にしたご子孫の方が喜ばれて来店され、古い写真を見せてくれながら建物の歴史を話してくださったんです。

 

この建物は大正13年に建てられた名古屋初の盲学校で、心光会館と呼ばれていたそうです。盲目のお医者さんが社会福祉のために建てたもので、来店されたのはそのご子孫でした。

その後、戦中には戦火で焼け出された人たちが避難する疎開場所となることも。コンクリート構造の建物は戦火に耐え、近年では1990年代まで印刷所になっていたそうです。

そして2002年に、リアルスタイルとしてのスタートを切ったわけです。この地から、名古屋の生活文化向上をめざして様々な発信を続けてきました。3年ほど前から始まって今も多くの人を集めている東別院マルシェ「暮らしの朝市」では、その立ち上げにも関わらせていただきました。

 

(織田信秀が築城した面影残る、下茶屋公園)

 

毎月28日に開催されるこの朝市の始まりは江戸時代にさかのぼります。

親鸞聖人の命日である28日に、人々は周辺の芝居小屋で芝居を見てからここに立ち寄り、買い物をするのが月に一度の楽しみでした。骨董市で賑わう大須の縁日が28日なのは、この東別院に倣ったものです。
もともと東別院は、織田信長の父・信秀が居城した古渡城の跡地に1690年に開かれ、尾張地方では「御坊(ごぼう)さん」と親しまれてきました。戦前までは京都の本願寺よりも大きかったそうです。

リアルスタイルの土地は、現在も東別院のお寺から借りているんですよ。東別院の北側を東西に抜ける道が参道としてとても栄えていたと聞いています。

 

(暑い日は行列の絶えない氷屋甘味処「柴ふく」)

 

この通りにある、行列ができるかき氷屋で有名な甘味処「柴ふく」さんは、リアルスタイルのコンクリート建物が防火壁となって残った戦前の建物だそうです。

当時の賑わいにはかないませんが、東別院エリアにもやがて高層マンションが建つようになり、「名古屋テレビ」さんも来られて、その向かいには人気フレンチレストラン「Reconnaissance(ルコネッサンス)」が店を構え、日本を代表する建築家・隈研吾さん設計の「MIRAIE」では、ブライダルだけでなく芸術的な空間で食事やアフタヌーンティー、エステといった非日常の時間を楽しめるなど、ますます美しく賑わいのある町になってきました。

 

(建築家 隈研吾さん設計のブライダル・レストラン「MIRAIE」)

 

来年で築97年を迎える建物で、リアルスタイルも20年目を迎えます。

名古屋市の歴史保存建物として、認定地域建造物資産にも登録されているこの古い洋館を、これからも大切に守っていきたいと思っています。近くにお越しの際には、東別院の歴史に思いを馳せながら、時代を経てこそ醸し出される雰囲気あるリアルスタイル本店にもぜひお立ち寄りください。

 

・ミライエ:https://www.miraie-nagoya.jp/
・ルコネッサンス:http://www.reconnaissance-nagoya.com/

 

リアルスタイル代表取締役 鶴田 浩

2020.11.20

リアルスタイルの、「眠り」のカタチ【社長 鶴田浩ブログ】

ステイホームで「家時間」が見直されるとともに、これまで家の中で後回しにされがちだった「寝室づくり」にも目を向ける人が増えています。睡眠の大切さを再認識し、コロナ禍のこれまでにないストレスを軽減するためにも、「質の高い眠り」が求められているのだろうと思います。

 

 

そもそも我々日本人は、「畳に布団」の眠りしか知りませんでした。「ベッド」で眠るようになったのは、ここ100年ほどのこと。

そのベッドの歴史は、欧米のホテルの歴史とともにあり、ホテルでの居心地の良さを象徴する寝心地の良いベッドの開発は、ホテルにとって最重要課題でした。やがて、広い空間と大きなベッドで快適に眠るアメリカ型のホテルが世界のスタンダードとなり、それに伴って、アメリカのビッグスリー(3S)と呼ばれるシモンズ、シーリー、サータのマットレスが世界を席巻します。中でも80年前にシモンズが開発したポケットコイルはマットレスの主流となり、現在も様々なメーカーが数えきれないほどの多様なポケットコイルを作っています。

 

多くの一流ブランドがポケットコイルを採用しているのは、最高の寝心地を追求しているからでしょう。

テンピュール、エアウィーブ、ラテックス、ウレタンと、いろんなマットレスがあって、それぞれに一長一短はあるけれど、本当の寝心地を追求するなら体圧分散が優れたポケットコイルだろうという流れがあります。そして世界中で使われているポケットコイルのほとんどが中国製。ニトリさんのマットレスも、一流ブランドのマットレスであっても同じです。確かにニトリさんのマットレスは研究し尽くされていて、優れたものだと思います。

どこに違いがあるのかはそれぞれですが、僕たちリアルスタイルと決定的に異なるのは、日本の顔が見える職人が仕上げているかということに尽きます。

 

 

ソファやベッドマットなど周りが張り込まれているアイテムは、中がどうなっているのか見えないですよね。

だからこそ、顔が見える日本の職人たちが、丁寧に、繊細に、クオリティを持って作っているものを、自信を持ってお届けしたいと思っています。
「お客様の日々の眠りを預かるマットレスは、国産のオリジナルでやりたい」これは18年前の創業時からの想いです。

国内外のマットレスを勉強する中で出会った下請けメーカーさんと一緒に18年前に開発したのが始まりです。

日本の高温多湿な風土や、日本人の繊細な感覚に合う日本製のマットレスをめざし、苦労して最初のオリジナルマットレスを商品化したのを覚えています。

 

あれからマットレスも進化を遂げており、現在ではコイルスプリングの上にピロートップと呼ばれるベッドパットのようなものが付いて一体化され、さらに快適な寝心地を実現しています。

ただ、従来のピロートップでは羽毛や綿、ラテックスなどが使用されていますが、これがヘタりやすい。しっとりとした寝心地で身体当たりは優しく、気持ち良いのだけれど、ヘタりやすくて型崩れしてしまうんです。

 

 

今回、新たに開発したリアルスタイルのオリジナルマットレスは、ピロートップにも羽毛と同じ体感を得られる微小のミニポケットコイルを採用。300種以上のポケットコイルから質の高い選りすぐりのコイルを組み合わせ、日本の職人による高い技術で仕上げた、日本人のための、日本の風土に合うマットレスが完成しました。これは3Sの高級マットレス以上の出来だと自負しています。

現在開催中のリアルスタイル「ベッドフェア」でぜひ、店頭にてご体感ください。

マットレスだけでなく、オリジナルのベッドフレームやベッドリネンも大幅にリニューアルし、リアルスタイルならではの寝室コーディネートをお楽しみいただけます。

 

リアルスタイル代表取締役 鶴田 浩

2020.11.17

リアルスタイルの、家づくり【社長 鶴田浩ブログ】

前回は、これまで別々に考えていた「土地」とそこに建てる「家の間取り」を同時に考えること、また「住空間」とそこに置かれる「家具インテリア」を同時に考えることで、より豊かな家づくりをする人が増えてきたという話をさせてもらいました。

リノベーションブームが続く中、お気に入りのインテリアショップにリノベーションプランから依頼する人が増えているようです。

その場合、インテリアショップは提携する設計事務所などとチームを組むものですが、リアルスタイルではすべてを社内で完結しています。

 

先日も、リアルスタイルの家具をご愛用いただいているお客様が久しぶりにご来店し、ステイホームで住空間の見直しを考えているということでした。

インテリアのご相談でしたが、弊社が一級建築士事務所であることを伝えるとかなり驚かれた様子。

それなら是非、愛用している家具に合わせた空間設計から任せたいと、有難いご依頼を受けました。

実際にお客様でも、リアルスタイルがオリジナル家具だけでなく住宅や建築設計も手がけていることを知らない方がまだ多いように思います。

 

 

私たちには住宅会社のようにモデルハウスがありません。

けれど、リアルスタイルの店をご覧いただくことで、その雰囲気やデザイン性はもちろんのこと、どのようなものづくりをしているのかをお分かりいただけると思っています。

 

 

リアルスタイルは、「家具をつくるように、家をつくる。」
つまり、家具を造り込むときと同じ繊細な技とこだわりが、空間のあらゆる細部にわたって現れることで、機能性と美しさが際立つリアルスタイルならではの住まいを手掛けています。

細部へのこだわりや仕上がりの精度は、インテリアショップならではの感覚かもしれません。

もちろん、造作家具の完成度は一般的な住宅会社の比ではないと自負しています。

そして他社との違いを最も感じられるのは、できあがった空間に家具を置き、インテリアを整えた時でしょう。

「ここの寸法がもう少しだけあったらな」

「この家具との間に隙間がなければいいのに」

「この色味があれと同じだったらな」

「素材に統一感があればな」

そんなちょっとした違和感も一切感じることのない、“すべてがしっくりとおさまっている”ことの気持ち良さ、心地良さに、改めて住まいの豊かさを実感いただけると思います。

 

 

なぜおさまりが良いのか。それは、住まいを空間からつくり始めるのではなく、家具や手に触れるものから住まいを発想しているからです。

家をハコとして捉えるのではなく、モノから捉えていくことに大きな意味があり、リアルスタイルでしかできない空間づくりになると思っています。

 

もともと日本人は、「家具の中に暮らす」ということをしてきたように思います。

靴を脱いで、床の間や飾り棚、襖や欄間など、すべてがしっくりとおさまるよう繊細に造り込まれた小さな空間に身を置いて、その心地よさを日々感じながら暮らしてきました。

木造、土壁、い草といった身近な素材によって、心地よさを追求してきたとも言えます。

私たちリアルスタイルがめざすのは、そのように空間を造り込むことで生まれる上質な心地よさのある住まいです。

そこに現代のデザイン性を取り入れ、素材を吟味し、こだわりをカタチにする伝統技をもって、「美しく暮らす」ことがずっと続く住まいにしたいと思っています。

リアルスタイルの家づくりに興味をお持ちの方は、ぜひ店頭のスタッフに気軽にお声がけください。

 

リアルスタイル代表取締役 鶴田 浩

2020.6.12

インテリアショップで、リノベーション?【社長 鶴田浩ブログ】

 

 

リノベーションがしたいという時、

まず考えるのは「どの工務店や設計事務所が良いだろうか。」であり、

ここでインテリアショップを思い浮かべる人はあまりいないと思います。

一般的には、リノベーションプランで間取りがある程度決まってから、

「じゃあ、家具やインテリアはどうしようか。」と考え始める。

これは、ある意味で当然の流れかもしれません。

 

かつて、家を建てる時には、まず不動産屋さんで土地を購入してから

住宅会社や建築事務所に家の設計を依頼していたのと同じ流れです。

けれど昨今では、住宅会社が土地から一緒に探して提案することが少なくありません。

家のことを熟知しているからこそ、不動産屋さんにはない視点で土地を選定でき、

北向きの土地や、高低差のある土地であっても、その土地の特性を最大限に生かすことで

ライフスタイルに合った理想の家づくりができるからです。

 

土地と建物を別で考えるのではなく、一緒に考えることで、

効率よく、より豊かな住まいが実現するというわけです。

土地と建物の予算配分が自由にできることも利点のひとつでしょう。

 

 

 

 

同じようにして、

インテリアショップがリノベーションを手掛けることも増えてきました。

間取りが決まってから、その空間に合わせて家具やインテリアを選ぶのではなく、

インテリアを熟知しているショップが、それにふさわしい空間から構築する。

そのショップのセンスや審美眼が発揮されるのはもちろんのこと、

空間設計とインテリアを別で考えるのではなく、一緒に考えることで、

統一感のある、より豊かで上質な住空間が実現するのです。

空間設計と家具・インテリアの予算配分が自由にできることも大きなメリットです。

 

では、

インテリアショップは、どこまでのリノベーションができるでしょう。

一般のインテリアショップでは、設計や施工などについては

外部ブレインとパートナーを組んで進めていくことになります。

そのため、建材や設備、細かい仕様については外部ブレインによるところが大きいわけです。

 

 

 

 

ですがリアルスタイルには、リアルスタイル一級建築士事務所があります。

創業当初から有資格者のスタッフたちにより、多くの住宅やリノベーションを手がけてきました。

というのも、僕自身が建築を専門にしてきたからです。

 

高級住宅を中心とした設計から現場監督まで、

また不動産や税務知識も必要とされる建築プロデューサーの経験を生かして、

インテリアから住空間、建築までをトータルで手がけるリアルスタイルが誕生しました。

家具を造る繊細さとこだわりをもって、

お住まいの細部にわたる仕上がりに高い品質をお約束しています。

リノベーションのご相談は、リアルスタイル各店のスタッフにお気軽にお声掛けください。

 

リアルスタイル代表取締役 鶴田 浩

 

2015.9.25

代表取締役 鶴田浩のブログが新しくなりました!

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