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ミラノサローネ2023 訪問レポート②【社長 鶴田浩コラム】
引き続き、4月にイタリア・ミラノで開催された
ミラノサローネについて
レポートしていきたいと思います。
前回のコラムでは
日本メーカーの躍進や中国メーカーの台頭、
私が今回最もインスピレーションを受けた
「GUBI」についてご紹介しました。
今回は、私が現地で感じたコロナ後の
世界の家具マーケットの傾向についてお話します。
日本では、いまだに本革や羽毛などを使った
インテリアが高級で、
価値のあるものとされていますが、
世界の価値観はすでに変わっています。
今ほとんどの高級家具メーカーが
重きを置いているのが、
“動物愛護”や“SDGs”なのです。
例えば、
「Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)」は
最高級の革のソファメーカーでありながら、
新作においては
極力天然皮革の仕様を抑えています。
ウルトラスウェードという
人工皮革やファブリックを使い、
皮や羽毛を排除しながらも
最高の座り心地を実現していました。
徹底してリサイクル素材を
使用しているメーカーも多く、
日本の価値観もシフトしていく
必要があると感じました。
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もうひとつのトレンドが“アウトドア”。
多くのメーカーがインドアに加えて
アウトドアもラインナップ。
テーブル・チェア・パラソルなど、
デザイン性も豊かで
インドア家具と引けを取らないほど。
日本の一般的なアウトドア家具の
イメージを覆しますよ。
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スペイン バレンシアの
アウトドアファニチャーブランド
「GANDIABLASCO(ガンディアブラスコ)」
が展開するラグブランド
「GAN(ガン)」は、
私ども「リアルスタイル」が
日本輸入総代理店を務めています。
こちらで展示されていたのは、
新作のアウトドアソファ。
樹脂系のリサイクル素材を使用したカバーで、
柔らかく座り心地が良いのが魅力です。
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また、今回はアパレルブランドが
これまでとひと味もふた味も違っていました。
本気でインテリア戦略を仕掛けてきたな、
という感じです。
住宅のしつらえ全てに携るインテリア業界は、
アパレルブランドにとっても魅力的で、
進出したい分野。
これまではブランド感を
全面に押し出したものが多かったのですが、
実用シーンを見据えた、
インテリアメーカーに引けを取らない
デザイン性と機能性を兼ね備えていました。
こちらは「エルメス」です。
エルメスと言えば、
皮革製品にこだわりをもつハイブランドですが、
先にお話した“動物愛護とSDGs”もあり、
レザーを使ったアイテムが
少なかったのが印象的でした。
ソファもボタンとパイピングにレザーを使用し、
メインとなる生地はファブリックだったのです。
無駄のない洗練されたデザインですよね。
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「FENDI」は、
これまでFENDIらしいデザインが目立ちましたが、
今回はガラリと変わりました。
ひと目ではFENDIとわからないくらいですよね。
ルイスポールセンのアーティチョークを
取り入れたコーディネートも展示されていました。
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他にも、
巨大スクリーンによる映像を使った
インスタレーションが目を引いた
「DIOR」や、
「ルイヴィトン」「ベルサーチ」など、
多彩なアパレルブランドの展示を見てきました。
やはりインテリアメーカーにはできない、
色や柄の使い方が魅力ですね。
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陶器メーカー「リチャードジノリ」も、
ティータイムを楽しむ
要素として器だけでなく
家具も提案していて、
陶器と合わせたコーディネートが印象的でした。
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またミラノサローネでは隔年で、
キッチンor照明をテーマとして
パビリオンが設けられるのですが、
今年は“照明”の年でした。
光源の主流となってきた
LED照明器具の成熟がどんどん進み、
ここ15年で多彩なデザインが登場。
その最先端が、
ここミラノで発表され、
新たな可能性に期待が高まりました。
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「Ambientec(アンビエンテック)」は、
名古屋市天白区出身の久野社長が
立ち上げたポータブル照明ブランド。
約10年前に第一作目・Bottled (ボトルド) を発表し、
今や世界的ブランドと
いっても過言ではありません。
カメラの電子技術を照明に取り入れていて、
充電してから長時間点灯可能なうえ、
しつらえが精巧でデザインもかっこいいんです。
新作には、
日本人デザイナーの大城健作さんを起用し、
鋳造したアルミニウムを
切削加工したポータブルランプが登場。
もうひとつは
イタリア・シチリア出身のデザイナーによる、
360度光源が稼働するポータブルランプです。
アンビエンテックは
リアルスタイルでも取り扱っていて、
よくベッドサイドに提案しています。
このように、
日本とはまた異なる世界の家具マーケットの
傾向を感じることができました。
また、日本のインテリアショップでは
展示されていることの多い
テレビモニターがなかったのも印象に残っています。
次回は、
併せて立ち寄った中東のインテリアや、
ミラノサローネで感じた
日本の立ち位置について
お話したいと思います。
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