COLUMN
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古き良きものを次世代につなげたい。
今年に入って古民家リノベーションを2邸、立て続けに手がけることになりました。
そのうちの一つが、
この古民家は華奢な構造体のため、構造計算の数値を上げるために屋根瓦を葺き直す必要がありました。その際には瓦をすべて新品にするのではなく、新しい瓦は後ろ側で使い、表の見えるところには状態の良い古い瓦をもってくることで、昔の佇まいを残しました。十分な耐震や断熱を行いながらも、2階の上質な座敷には当時の照明を磨いて付け直したり、ペアガラスには木製サッシ、雨戸の戸袋には銅板を貼るなど、トラディショナルに仕上げています。
一方で、主な生活空間となる1階では住みよくなることを第一に考え、外部に面する壁や床はしっかりと断熱し、開口部まわりにも複層ガラス樹脂サッシを装備。その上で左官職人による漆喰や聚楽土の壁や、断熱効果の高い太鼓障子などを伝統技法で残し、新建材を限りなく排除しながら快適な住空間を再生しました。ウォールナットの家具を合わせると、古民家にしっくりときて、スタイリッシュな空間にもなります。海外の暮らしを経て戻られた時に、改めて日本の素晴らしさを感じながら日々を過ごせる邸宅になったのではないかと思います。この素晴らしい建築を、これからも共に保存させていただく想いです。
このように、最近では古い建造物を再生させていただく機会が増えてきましたが、もともとリアルスタイルは、本店のリノベーションからスタートしています。廃墟で壊されかけていた大正時代の歴史ある洋館を再生させて残すことから始まりました。創業時から古き良きものを次世代に繋げ、文化的な価値ある街づくりをめざしてきたわけです。
歴史の味というのは、新しいものでは絶対に出ないんですね。新築では表せないものが詰まっているのが、古民家のいいところ。無くしてしまったらもう作れないのだから、それを残していきたい。リノベーションとは、いかに古いものをちゃんと残して再生するかだと思います。何でも新しいものに変えるのではなく、古い良いところを残しつつ、現代の住みよさを加えてスタイリッシュにすること。ただ再生して昔のままにするだけではとても住めないわけですから、そこをちゃんと解決するのが僕らの仕事だと思っています。
ここにきてようやく、コロナ前から古民家を改修して民泊施設やBARなどの飲食店として、商業的に使われることが増えてきましたが、そこにちゃんと住もうとなると、なかなかハードルが高い。それを我々がプロの技でしっかりと作りたいと思っています。長年、建築インテリアの業界でやってきて、腕のいい職人たちとの出会いもあって、建築とインテリアを融合した良いバランスで古民家再生ができるようになってきました。良い仲間との大義ある仕事は、本当に喜ばしいことです。これからも、残していきたい街の姿に貢献していきたいと思っています。
リアル・スタイル株式会社
代表取締役 鶴田 浩
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