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2021.2.24

お布団の上でくつろぐ贅沢【社長 鶴田浩ブログ】

 

先日、東京ビッグサイトで開催されたギフト・ショーに行ってきました。コロナ渦でどのようなモノづくりが行われているのかを自分の目で見て、その雰囲気を肌で感じたかったからです。当然ながら海外からの出展はなく、国内で開発された商品がほとんどで、その多くは日本らしさや日本の繊細なモノづくりが際立つものでした。そんな出展者さんたちの頑張る姿と重なったのが、僕が友人の赤瀬さんと15年前に立ち上げたメイドインジャパンプロジェクト(M I J P)のことです。

 

2006年当時、中国やアジア製品が大量に流入する時代の中で、家具産地の会社も次々と倒産廃業していました。リアルスタイルのオリジナル家具を一緒に作ってくれていた会社もその一つ。このままでは日本のモノづくりが継承されずに廃れてしまうのではないかという危機感から、「10年後の日本のモノづくりのために」、人や産地を全国規模でつなぐコミュニティを作ろうと、友人の赤瀬さんと立ち上げました。僕がちょうど40歳のときです。

 

作る人、売る人、使う人、みんなが繋がることで新しい何かが生まれ、地域が活性化し、各地の産業が再興することをめざすMIJPが主に行うのは事業者支援ですが、その立ち上がりの前年となる2005年に開催された名古屋初の「デザイナーズウィーク」で知り合った仲間たち、デザイナーやショップ、産地の事業者さんなどに声をかけてスタートしました。その活動の一環として、まずはお互いをよく知ろうということで、デザイナーやショップを連れて事業者さんの工場をよく回っていました。そんな中で知り合ったのが、丹羽ふとん店さんと、まくらのキタムラさんです。

 

 

丹羽ふとん店は親子2代で布団の技能グランプリと総理大臣賞を受賞している、名実ともに日本一の布団職人。木綿を真綿で包み込み、端までピンと立った返しができる匠の美しい布団は、3年予約待ちの逸品です。「この一級品の布団をソファにしたい。」そう思いました。

 

子供の頃は、布団の上に乗ったりすると親に怒られたものです。そのくらい、日本の布団は繊細で心地よいもの。その上に、あえて座って過ごすという贅沢をカタチにしたいと思いました。それまで日本の文化を継承するソファというものがありませんでしたので、この「布団ソファ」がそうなってほしいなと。まだまだ日本には、ソファを買ってもしばらくすると床に座ってソファを背もたれにする人が少なくありません。日本の生活文化に合うソファを日本の技で創り上げるというこの協働は、MIJPの活動見本にもなると思いました。こうして2008年に完成したのが、リアルスタイルのロングセラーとなった「シアトルソファ」です。

 

 

最近のソファでは、ベースにウレタンを使うことが主流になっていますが、ウレタンという素材は世の中に出てまだ60年ほどしか経っていません。安価で加工しやすく、座り心地の良いソファにはなりますが、湿度に弱く、すぐにへたってしまう。ウレタンの経年劣化による寿命は10-15年とされ、20年も使うと粉が出はじめ、50年で粉になってしまいます。座り心地の良いソファと、長持ちするソファは別なので、へたらないソファは座って見分けることが難しく、ソファの構造を見なければなりません。

 

その点シアトルソファでは、へたらないコイルスプリングをベースに使用しています。これはベッドマットレスにも使われるもので、耐久性が高く弾力に富んでいます。その座面に横たわるのは、あの「丹羽ふとん店」の木綿布団です。通常の敷布団の2倍の綿を詰め、柔らかさと耐久性に配慮された特別仕様で、忙しい作業の合間に特別に作っていただいています。お布団なので、晴れた日に天日干しすればふかふかに元どおりですし、打ち直しても使えるサスティナブルなものです。吸湿性に優れ、日本の気候に合った木綿布団の柔らかさにスプリングの弾力が加わることで、他にない贅沢な心地よさを生み出しました。これはデイベッドにもなるべきだと、ゆったりとした奥行きのある座面にしています。座面であぐらをかくもよし。日常はソファやデイベッドとして、またフラットシーツをかければゲスト用のベッドにもお使いいただけます。

 

 

この布団に合わせて背クッションを手がけるのは、枕を作り続けて95年の老舗「まくらのキタムラ」さんで、枕と同じ製法でハンドメイドしていただいています。2種類の羽毛を組み合わせ、枕の3倍の羽毛と綿を詰め込んだ枕クッションは、身体がうずまるほどのボリューム感で身体を背面から包み込んでくれます。枕カバーと同様にファスナーを使わず合わせ仕様になっていたり、肘置き用クッションの中材には蕎麦殻を使用するなどのこだわりも職人さんらしいところです。

 

ソファの本体、布団、クッションはすべてカバーを取り外してクリーニングできるため、セレクトするカバー生地によって様々なスタイルを演出できるシアトルソファですが、これまではカジュアルなイメージが強かったことから、2020年に大幅リニューアルしています。3人掛けサイズのみの展開からサイズバリエーションが加わり、L型配置や向かい合わせにすることでラグジュアリーにもお使いいただけるようになりました。最近では一般住宅だけでなく、施設の共用部などでもご使用いただいています。

 

 

ふかふかの布団に座り、羽毛たっぷりの枕に背面から包まれる感覚。日本一の布団屋が打った布団のソファは、もちろん、2月24日オープンの「ジェイアール名古屋タカシマヤ店」でもご覧いただけます。

 

リアル・スタイル株式会社

代表取締役 鶴田 浩

 

リアルスタイル ジェイアール名古屋タカシマヤ店 オープン | REAL Style

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