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2021.8.27

愛知・鋳物の工房を訪ねて【社長 鶴田浩ブログ】

 

 

今回は、愛知県名古屋市にある鋳物の工房です。愛知ドビーという会社名よりも、「バーミキュラ」というブランドでご存知の方が多いかと思います。
伝統工芸品から工業製品まで鋳物の産地は全国にありますが、自動車産業とともにある愛知には、小さな部品や大きな機械などを作る鋳物工場が多いと言います。これが日本の高度成長の原動力となりましたが、時代とともに鋳物産業が衰退していく中で、愛知ドビーの三代目となった兄弟が家業を立て直すべく、職人たちと共に開発したのがバーミキュラでした。すでに鋳鉄ホーローの調理器具として、海外製のル・クルーゼやストウブが日本でも爆発的に支持されていた時です。

 

 

そうした海外製品をはじめとする鋳物ホーロー鍋というのは、本来は粗削りなものでした。それを日本ならではの繊細な技を磨いて、0.01ミリ単位の精巧なものとして作り込まれたのがバーミキュラの鍋です。鋳物へのホーロー加工に加え密閉性を高めることは困難極まりなく、約3年で1万個を超える失敗を経て完成したのだそうです。蓋と本体の接合部分の削り出し技術は、他にない緻密さです。当然ながら密閉性は高く、「世界一、素材本来の味を引き出す鍋」として人気を集めているのは、皆さんも知るところです。
弊社では、愛知ドビーさんの工場の改修をお手伝いしたのをきっかけに、8年ほど前からバーミキュラ鍋の取り扱いが始まりました。当時、百貨店でしか扱えなかったものを、リアルスタイルの各ショップで販売できるようにしていただき、それから深いお付き合いをさせていただいています。

 

 

現在、バーミキュラは鍋だけでなく、炊飯器やフライパンとバリエーションを増やし、調理器具の世界を席巻しています。そして2019年12月には、バーミキュラの世界観を体験できるブランド体験型施設「バーミキュラ ビレッジ」が、愛知ドビー創業の地である中川運河沿いに誕生しました。「最高のバーミキュラ体験」をテーマに、レストランやベーカリーカフェ、フラッグシップショップ、キッチンスタジオ、ラボラトリーなどが集約されています。
この中川運河というのはかつて「東洋一の大運河」とも呼ばれ、水上輸送で地域経済を支えてきた素晴らしい水辺エリアであるにもかかわらず、これまでなかなか活かされてこなかった場所です。この水辺空間の活性化を目指して、2012年からは中川運河キャナルアートという市民プロジェクトも始動しています。こうした中川運河再生計画に賛同し、この地にバーミキュラ ビレッジができた意味は、とても大きいように思います。これを核にさらに活性化し、様々な人が遠方からも訪れる街のシンボルにもなっていくのではないでしょうか。ぜひ足を運んでみてください。

 

 

リアル・スタイル株式会社

代表取締役 鶴田 浩

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